魚を漬けることによって、原料の内部の水が周囲に出て、これに代わって取り囲む漬け込んだ成分が入っていきます。そして食品に複雑な味が加わります。つまり調味されたことになるわけです。
また、保存性を向上させるために食塩を用いており、塩味の強さ、肉質の硬化などを補うために、発酵性の調味料や糀(こうじ)などを加えて魚肉に好ましい香味を付加し、さらに肉質を変化させて嗜好性の高い魚漬けにしているのです。
代表的な「みそ漬け」、「粕漬け」の効果について ご案内します。
味噌の効果(みそ漬け)
■魚の独特の臭みを消す効果があります。
味噌に含まれているタンパク質が匂いのもとを吸着して、脱臭する働きがあり、さらに吸引した匂いを味噌の香りが包み込んで、強く働くからです。(マスキング効果)
■抗酸化作用があります。
味噌の原料である大豆には、大豆サポニンと褐色色素が含まれており、油脂の酸化を防ぐ作用があります。味噌漬けにすることで脂焼けを防ぎ、風味を保ことなどがあげられます。
また みそ漬けにすると魚肉の保存性を向上させ、魚肉もしまり、風味が良くなります。
魚を焼くことにより、白身の魚の淡泊な味にアクセントをつけたり、脂の強い魚の個性を抑え、食べやすくすることができます。
酒粕の効果(酒粕漬け)
■酒粕特有の風味、香気とうま味が魚肉に移り、魚肉のうま味と調和して、独特の風味が造られる効果があります。
酒粕は清酒醸造のもろみを絞った残りで、中身は糖化・醗酵を終了した米飯と米糀です。呈味(食品に含まれる成分のうち、味を感じさせる原因となる物質)に重要なエキス成分のほか、種々のタンパク分解酵素やアミラーゼなどが豊富に含まれているので、酒粕の風味を付けるだけでなく、漬け込み中に魚肉中および糀菌のタンパク分解酵素によって 呈味成分を生成させると同時に、肉質を変化させる効果もあります。
■最高血圧を低下させる作用があります。
魚に含まれているEPA(エイコサペンタエン酸)と、酒粕に含まれているウロキノーゼ(酵素)が合わさってできるオリコペプチド成分には、血液の凝固などの循環器病を防ぐ作用があるとされています。
■ボケ防止の作用があります。
魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とある種のタンパク質の欠乏が、痴呆症(ボケ)の原因の一つではないかといわれています。酒粕には高い酵素作用があるため、魚のタンパク質を効率よく体内に吸収させることができます。
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